2/16(土)昨年我が町伊東で開催した「しずおか町並みゼミ」の第4回目が岡部町で開催された。場所を知らない方の為にアクセスから紹介したい。朝7時47分伊東発~熱海新幹線で静岡へ、東海道線に乗り換えて焼津駅、そしてバスで岡部に入った。伊東から3時間が経過したことになる。
バスを降りて、どうも反対方向へ行ったようだ。旧東海道の松並を残した道を右往左往しながらやっと会場の「駿岡社お茶工場にたどり着いた。
今回の主旨は、岡部の町並み体感と民家での座敷談義そして、集まった「まちづくり馬鹿」と地元の方との交流を通しての意見交換である。
静岡県建築士会の有志が進行をつとめ、最初のサプライズは、サッカーで有名な中山ゴンのお父さんのトークから始まった。岡部弁丸出しのゴン父は、様々な自慢話をいやみなく展開する。彼の家は、ゼミ会場「駿岡社」の真ん前にあった。懐かしい町並みに合わせた改築に大きなお金をかけたと言う。
玄関を入って振り返り、土間から天井をを見上げると、吹き抜けの空間に、梁と建具の直線が交差する見事な建築美を味あわせていただいた。旧東海道と並行するかのようにもう一本の道がある。横の路地を通り抜け、その道に突き当たると舗装もない大きな駐車場があった。あづき色のジャガーのスポーツカーが置いてあ.るではないか。町並みと相対した景色であった。駿岡社は明治から継く玉露の名園らしい。たたずまいと共に、梁のダイナミックさ、歴史と伝統が随所に見つけることができる。
ゼミ会場の机は、茶箱を裏返しにしたアイデアが雰囲気を醸し出す。
いよいよ、町歩きだ。旧東海道岡部宿の町並みは、現代家屋の中に懐かしさと風情が点在する曲線が美しい町である。
古い絵地図に記された道筋と、今歩いている道筋が一体となる。まるで江戸時代にタイムスリップしたようだ。
お昼を柏屋さんで戴いた。松花堂弁当は、見た目も美しく、とても美味しかった。ここは、岡部宿の象徴のように手入れの行き届いた佇まいである。等身大のお雛様が飾られ、庭を水路が横断している。藏づくりの建物と門、小路から見えるレイアウトが見事である。
お腹がいっぱいになったところで、町歩きを再開した。あちこちキョロキョロしながら本陣跡を覗いてみる。県道藤枝静岡線通称つた街道を戻ると、右手に初亀酒造の大のれんが目に入った。立派な塀に囲まれた母屋に酒造所が居を並べている。中に入ると、日本酒「初亀」の数々が目を奪う。
興味はあるのだが日本酒は苦手である。お土産にするのも荷物になると・・・断念をした。
火のみ櫓を過ぎると、道脇に変わった鉄板が吊り下がっている。聞いてみると大事の時の警鐘だそうだ。古風な屋根が付いた岡部らしい発見である。
歩を進めると正應院と書いた門がある。門をくぐると三重の塔が威容を誇っている。手の込んだ木組みが美しい軒下を飾っている。宮大工の真骨頂であろう!
藍染めのアトリエを訪ねた。時代的な天井の梁は、デザインとして何とも美しい。「藍は青より出でて青よりも濃し」弟子が師匠を超える嬉しさと、師匠への感謝が合わせもたれて美しいのだ。越えられる喜びもまた感謝である。素敵な藍染めと職人気質に胸が熱くなった。藍色の素は、たで藍と言う植物だと知った。徳島から取り寄せているそうだ。これでなければいけないと断言する。
ゼミ会場の駿岡社に戻り、4つに分かれて協議をした結果を発表する。此の地の良きところ!こうあったら良いところ!何故こうなの?様々な意見が交錯する。現実と未来を、過去の歴史の中からすり合わせ、自身の町にオーバーラップさせてみる。平成18年、国は景観法を制定して地方・地域の景観をバックアップする姿勢を整えた。今、様々な地方自治体が我が町の景観条例や景観計画の策定に動き出している。新たなる建築に規制を、守るべき自然・建物・景観を保存する大切さは、次世代へ引き継ぐ我々時代の使命でもある。そんな心を通わすところが「町並みゼミ」なのだ。
駿岡社自慢の玉露の戴き方講習を受けた。岡部で焼いた専用茶碗に玉露を入れる。細く繊細に揉まれた緑色の葉が茶器の白色に際立っている。一方、注ぎ口のある茶碗に熱い白湯を注ぎ、手のひらに載せ、回しながら空気とふれ合わせ温度を下げていく。ぬるい程の感覚になってから円を描くように茶葉に注ぎ蓋をする。すするように戴いた玉露の甘さに驚いた!!!!こんなにデリケートなお茶を初めて戴いた。感動である。
口腔に、岡部宿の甘い玉露の思い出を含んだまま、帰りのバスに乗った。
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